こんにちは!鬼澤です。

今回は、法務Tips第一弾ということで、「弁護士」について、記事を書かせていただこうと思います。

弁護士に依頼する、ということを聞いて、まずみなさん思い浮かべるのは、何でしょうか。

まず、そもそも、「弁護士って訴訟の時以外でどういうときにお願いすればいいの?」という方も少なくないと思います。 そこで、簡単に、「弁護士」について、また弁護士に依頼する場合のポイントについて、説明させていただこうと思います。

1.弁護士と、他の士業との関係について

まず、そもそも、弁護士のお仕事ってなんでしょうか。とりあえず、「法律に関わること」ではあるのですが、そうであっても、司法書士や行政書士、弁理士等、似ている資格もたくさんあります。それぞれの資格ごとに専門性は異なっており、簡単にまとめると、以下の通りになります。

  • 弁護士:法律の解釈(何らかの規制にひっかからないか)、契約書の作成、訴訟の代理、法に則った団体運営の確認等(弁護士法3条参照)
    例)新規事業立ち上げの際の規制の有無の確認、額のお大きな契約書の確認
  • 司法書士:登記手続の専門、一部の訴訟手続き(司法書士法3条1項参照)
    例)名称変更に関する登記、住所移転の際の登記の手続き等
  • 行政書士:行政に提出する書類の作成等(行政書士法1条の2、1条の3参照)
    例)NPOの所轄庁への書類の提出
  • 税理士:税務の相談、申請書類作成(税理士法2条参照)。
    例)法人税の申告の際の書類の作成、税務上の取扱に関する相談
  • 社会保険労務士:労務関係の専門(社会保険労務士法2条参照)。
    例)雇用者に関する社会保険に関する手続きの代理、相談等
  • 弁理士:商標権、特許権等の取得手続が専門(弁理士法4条参照)
    例)特許権の取得、プログラムの名称に関する商標権の取得

以上のように、それぞれの士業によって、得意分野が異なってきます。それぞれ法律に関わることではあるのですが、例えば、登記や行政手続き等を進める場合には、弁護士よりも、司法書士や、行政書士に頼んだ方が正確な場合が多いです。逆に言えば、弁護士は細かい手続きに関しては、知らないことも少なくありません。

また、法律上、弁護士は弁理士としての仕事も可能ですが、実際には、特許権や商標権などを取得(特許庁への出願等)するまでが弁理士、取得後の対応が弁護士、という感じのすみ分けになっております。

以上が、基本的な専門性になりますが、例えば、弁護士であっても特定の分野の手続きに非常に詳しかったりすることもございます。
また、弁護士は、様々な士業(「~士」とつく資格をもつ職業)の方と協力していることも多いのが特徴です。弁護士に対して、良い「~士」の方を紹介頼むのも、賢い弁護士の使い方の一つだと思います。

色々な専門家を上手く使い分けられるとより業務が効率化しますよね!

2.「ビジネス法務」とは

BLP-Networkでは、「ビジネス法務」のスキルや知識を提供することで、それぞれの弁護士としての社会的使命を果たすことを目的としています。ビジネス法務、といっても、何か特定の分野があるわけではなく、ビジネスを行う際に、関わってくる法律全般のことを指します。

ビジネス法務の中で、NPOなどでもよく関わってくるのは

①労務(就業規則、三六協定等、契約内容等の確認)
②知的財産権(商標権、特許権、著作権、意匠権等)
③ガバナンス(団体の運営の仕方について)
④個人情報関係(管理の仕方)
⑤税務(税法上の解釈、税負担の軽減のスキーム設計、税務訴訟等)
⑤金融(クラウドファンディング、奨学金の設置等)
⑥その他業規制

等になります。
その他、ビジネスに必要な法律であれば、何でも「ビジネス法務」のくくりに含まれます。

3. 弁護士に頼むとき

弁護士に頼む場合、ポイントは2点あります。

①まずは自分で調べてみること

インターネットが発達している現在、大体インターネットで検索すれば、法律に関する情報も、かなり手に入れることが出来ます。
このブログでも、法務に関して調べるのに便利なサイトや、手掛かりとなること等の掲載も行っていく予定ですので、ぜひご確認ください。

②要望をはっきりと持つこと

例えば、契約書に関して言えば、

  • ある要求を書面にしたいのか
  • 何かしら紛争になりやすい条項は無いか確認したいのか
  • ある懸念を想定し、それを解消したいのか

また、それ以外にアドバイスを求める場合も

  • 判断材料としてリスク等に関して意見を聞きたいのか
  • 具体的な対処方法を聞きたいのか
  • 等がはっきりしていれば、弁護士への依頼も非常にスムーズになります。

以上が、自分がNPO職員として弁護士と連携する上で感じたことになります!

今後も、月に一度程度のペースで、法務Tipsを掲載していく予定です。
以上、皆様に少しでもお役に立てれば幸いです。