2024年3月19日(火)12-13時に、オンライン形式にて3月の定例会を行いました。
今回の定例会は、初めての日中開催となったところ、これまでに開催していた夕方の時間帯には参加の難しかった会員にも多数参加していただき、いつもに増して活気のある会となりました。
また、今回は冒頭に、Zoomのブレイクアウトルーム機能を用いて小グループに分かれ、出席者の間で業務内外の様々な近況を語り合う時間を設けたことで、会員間の親睦を深めることもできました。
本編では、弁護士であり多数の会務にも取り組みながらNPOの代表も務める新規会員から、自身の活動内容や、自殺問題を中心として、社会課題に対する弁護士やNPOの向き合い方、弁護士の役割等についてお話しいただきました。
講演からは、極限状態にある当事者に対して弁護士が直接関与することは難しいとしても、自殺に至るまでの危機経路には、多重債務や連帯保証、職場での取扱い等、弁護士として対処することが可能な問題があることが多く、弁護士が介入することで早期に自殺を予防できることを学びました。
もっとも、そのような問題に苦しむ当事者が弁護士にアクセスすることは必ずしも容易ではありません。当該会員は、そのような現状に対し、当事者がどのような職種の支援者に相談した場合であっても支援者間で相互に連携し、弁護士も含めて必要な支援を提供できるよう、弁護士として、またNPOの代表として、支援者間のネットワークの形成等に取り組んでいるということを知りました。社会課題との関係では、弁護士は手段の一つであって、NPOとはアプローチの方法が異なるにすぎず、細分化された思考に囚われず、社会の全体性を意識することが必要であると認識しました。
弁護士実務に取り組んでいると、弁護士に求められる役割の範囲は場合により異なるとはいえ、弁護士はややもすると自身の専門に閉じこもり、全体的な問題解決のために必要な各方面との連携が疎かになってしまうおそれがあると感じます。弁護士も社会全体の一員であって他の支援者と協働して問題解決に取り組む存在であるということを忘れず、今後も業務に取り組んでゆきたいとの思いを新たにしました。
水野挙徳