8月24日のBLP-Network定例会にて、「更生保護法」をテーマに勉強会を開催しました。
講師は前職の公務員時代に更生保護に関わられたメンバーの渡邊賢弁護士と現役で更生保護官をなさっている中川彗介さんに勤めていただきました。

更生保護の具体的活動、保護対象者の範囲、民間資源を活用した取組などに触れながら更生保護の概要についてお話しいただきました。
更生保護の分野では民間主体が大きな役割を果たしています。
保護観察官だけでは対象者各人に面接などの対応ができないことから、日本では保護司という民間のボランティアが約5万人もおり、更生保護に向けて尽力してくださっています。この保護司制度は日本がモデルとされることが多く、世界的にも注目を集めているとのことでした。近年刑事司法、外国人収容の問題等で日本が人権後進国と批判されることが多くなっていますが、この保護司制度は日本が人権分野で誇ることができるものと言えそうです。

他にも出所後に家族などからの保護を受け入れられない者を対象にした更生保護施設は民間団体が運営することになっていたり、定職に就くことが容易でない刑務所出所者等を雇用し、更生に協力する民間の事業主(協力雇用主)も多く存在したりといった例も挙げられました。

講師の中川さんは更生保護に協力してくれる民間のNPO等を「渇望」しているとも言ってくださり、今後も民間の関わりが重要になってきそうです。
弁護士に向けては、更生保護に向けた制度をしっかり理解した上で弁護活動に当たって欲しいとのメッセージをいただききました。

BLP-Networkではオンラインで毎月定例会を開催しています。NPOやソーシャルビジネスの運営のサポートにご興味のある方は是非お問い合わせフォームよりご連絡をお待ちしております。

202108勉強会